ナビクラ属27

　ナビクラ属 F27-01　(Navicula sp.)

　殻長；35.5μm
　殻幅；11.4μm
　条線密度；7.5-8.5/10μm
　胞紋密度；26-26.5/10μm
　特徴；殻面は丸みを帯びた披針形、または鋭く尖る殻端を持つ細長い楕円形である。
　　条線は殻中心付近では強い放散状、殻端付近では弱い放散状に配列する。
　　条線は縦長の短い線状の胞紋からなる胞紋列を1列伴居、これらの胞紋は光学顕
　　微鏡でかろうじて見える程度に細かい。
　　縦溝は殻中央を走り、殻中心側端部は明瞭な孔を作って終わり、殻端側では互い
　　に反対側に曲がる(1355b)。
　　中心域は歪なひし形で、殻縁から伸びる短い条線に囲まれる。
　　渡辺(2005)のNavicula reinhardtii と特徴が条線の様相や殻の構造が類似するが、
　　この標本は殻端が鈍く尖る点、胞紋密度がより細かい点で異なる。
　・採取地；北海道東部2(湖成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　ナビクラ属 F27-02　(Navicula sp.)

　殻長；44.6μm
　殻幅；14μm
　条線密度；7.5-8.5/10μm
　胞紋密度；25.5-27/10μm
　特徴；殻面は丸みを帯びた披針形、殻端は鋭く尖る。
　　条線は殻中心付近では強い放散状、殻端付近では弱い放散状か、平
　　行に配列する。
　　条線は縦長の短い線状の胞紋からなる胞紋列を1列伴い、これらの胞
　　紋は光学顕微鏡下で焦点深度によっては悉皆見分けることができる。
　　縦溝は殻中央を走り、殻中心側端部は明瞭な円形の孔を作って終わ
　　り、殻端側では約90度ほど曲がる(1354a-1)。
　　中心域は歪なひし形で、殻縁から伸びる短い条線に囲まれる。
　　渡辺(2005)のNavicula reinhardtii と特徴が条線の様相や殻の構造が
　　類似するが、この標本は殻端が鈍く尖る点、胞紋密度がより細かい点
　　で異なる。
　・採取地；北海道東部2(湖成層)
　・封入剤；カナダバルサム
　・撮影倍率；×1000　
　・スケールバーは10μm

　バシラリア亜綱(Bacillariophycidae) ナビクラ目(Naviculales) ナビクラ科(Naviculaceae)
　ナビクラ属(Navicula) のうち、主に以下の特徴を持つ分類群を掲載します。
　・殻面は丸みを帯びた披針形、または鈍く尖る殻端を持つ細長い楕円形である。
　・条線は縦長の胞紋からなる1列の胞紋列を伴い、殻中心では放散状、殻端ではより弱い放散状、または
　　平行に配列する。
　・条線密度は粗くい。
　・縦溝は殻中心側端部で明瞭な孔を作って終わり、殻端側端部ではかぎ状に曲がって殻蓋へと続く。
　・中心域は両殻縁から伸びるやや短い条線に囲まれる。
　この分類群は湖成層(北海道東)から化石として産出しました。